Brand History

1960年代

  • 東京電販 設立(1965年)
  • 東京電販株式会社に改組
  • 長野県松本市に自社製造工場を新設
  • 『ドライヤー初期モデル』発売 TD30

お釜型のドライヤーが一般的な時代

当時のドライヤーはいわゆるお釜型。美容室・バーバーのプロが使うもので
一般家庭にはなじみがありませんでした。
火鉢で温めて使う“こて”と呼ばれるヘアーアイロンの方が一般的でした。
そんな中、わたしたちは創業前からエンドユーザーとなる美容室で意見をうかがい、
手で持てるドライヤーの製品開発ができないか模索していたのです。

小型で手持ちできるドライヤーを開発

1969年に美容室での意見を元に、まずはプロ用の「軽くて静かなドライヤー」を開発。
このTD30は小型モーターを使い、手持ちできるという画期的なものでした。
まだ風量は弱く、乾かすというよりもセットするためのドライヤーで、
それはお釜型のドライヤー=セットするためのもの、という流れを汲んだものでもあります。
より軽く、より静かに、より風量も、と改良を加えながら、TD72、TD1000へと開発はつづきました。

東京オリンピック開催 美容の世界にも新風が吹く

手持ちできるドライヤーの開発をつづけるうち、
いずれ一般の人もドライヤーを使うようになるはずと確信するようになりました。
それは東京オリンピック開催とともに、世界へ目を向ける人が増え、ファッションへの関心も高まっていることを肌で感じていたからです。
プロの現場でも、家庭の中でも、女性たちの美の追求にしっかり応えていこう。
そのためにも使う人の意見を、
できるかぎり取り入れ、新技術を開発しよう。
わたしたちの“ものづくり”の姿勢は、こうして確立されたのです。 

1970年代

  • アメリカ サンビーム社よりヘアードライヤーの製作依頼
  • アメリカ ゼネラル・エレクトリック社よりヘアードライヤーの製作依頼
  • アメリカ ブラザーインコーポレーション社よりヘアードライヤーの製作依頼
  • アメリカ シック社よりヘアードライヤー部品の製作依頼

世界基準での“ものづくり”でクオリティ・コントロールの重要さを学ぶ

70年代に入り欧米から、わたしたちの製品・技術が求められるようになりました。
ここで越えなければならない高い壁が品質管理でした。アメリカにはUL規格という代表的な安全規格があります。
詳細な検査項目すべてにパスしなければ、製品は輸入してもらえないのです。
製作依頼してきた欧米の会社からインスペクターが来日し、わたしたちと一緒になって徹底した品質管理の方法を伝授してもらいました。
わたしたちの技術者をアメリカに送り込み、勉強もさせ、現地での製品手直しをすることもありました。

  • 株式会社テスコムに社名変更(1973年)
  • 業務用ブラッシングカールドライヤー発売 HS200(片側ブラシ)
  • 業界初!360度ブラシのカールドライヤー発売 HS600
  • オランダ フィリップス社よりヘアードライヤーの製作依頼
  • 『おしゃれカール』発売 HS210,HS800(1975年)
    コンシューマー向けにカールドライヤーで"ブロー"革命を起こす
  • アメリカ シアーズローバック社よりヘアードライヤーの製作依頼
  • アメリカ ハミルトンビーチ社よりヘアードライヤーの製作依頼
  • カナダ フィリップス社よりヘアードライヤーの製作依頼
  • アメリカ シアーズローバック社より「シンボル・オブ・エクセレンス賞」を受賞(1976年)
  • 初期型1200W,NB1200発売「Nobby」ブランド スタート(1978年)

ある美容師さんのテクニックが新製品のヒントに

サロン訪問で見かけたある風景が、新製品開発のきっかけとなりました。
その美容師さんは髪を巻き込んで回転させ、ブラシの背中の面を使ってカールのクセをつけていたのです。
もし一面にブラシがあって、四方八方から風が出たらきれいにカールできるのでは?スタイリングしやすいのでは?
さっそく試作品をつくり社内で使ってみたら思っていた通りの結果に。
まずは「この製品はおもしろい」と言ってくれた代理店さんのオリジナル商品として発売され、それが『おしゃれカール』につながりました。

美容業界にひろく認知されるきっかけとなったコマーシャル

女優さんを使って『おしゃれカール』のコマーシャルを制作。
10日間くらいかけて撮った、ていねいに作られたものでした。
ブロー革命を起こした『おしゃれカール』HS250 HS800は一般のユーザーはもちろん
美容業界からの反応が強くあり、対米輸出とあいまってテスコムの名がひろく認知されるきっかけとなりました。
いまは当たり前の表現となっていますが「おしゃれ」は当時の美の追求ワードでした。

次に来る「セットイン時代」のさきがけ

セットイン時代とは、ヘアースタイルを1つの技術(カットだけなど)で作り出すのではなく、
カット&パーマに最も重要なセット技術(ブロー)を加えて、洗練されたスタイルが求められた時代。
テスコムの開発した“カールドライヤー”によって女性は家庭で手軽に「片手で」好みのヘアスタイルを作り出せるようになったのです。

シンボル・オブ・エクセレンス賞を受賞

順調に欧米メーカーとの取引がひろがっていった背景には、
わたしたちが世界基準の品質管理を誠実に学び実行していった努力があったからだと思います。
そのひとつの証がシアーズ社からの「シンボル・オブ・エクセレンス賞」の受賞ではないでしょうか。
この受賞は欧米においてテスコムの評判を高めてくれました。
品質管理の徹底さでは他社に負けないという自負は、現在でもあらゆる製品に行き届いています。

プロの声にしっかりアンサーする“ものづくり”

1978年、プロ用ドライヤーのブランド名称を Nobby と命名し新プロ用シリーズをスタートしました。
Nobbyの誕生です。初代NobbyはNB1200。
タイコ型からガンタイプにしての風量アップ、さらにシロッコになってのパワーアップなどの機能面での改善を繰り返してきました。
それとともに、プロの使い勝手に応える改良もつづいています。
よりなじみのよいグリップの形状づくり、持ったときに軽やかに使える重量バランス、
ハードな使用にも負けない耐久性…。製品のあらゆる箇所にプロの声がいかされているのがNobbyなのです。

1980年代

  • 日本フィリップス社よりヘアードライヤーの製作依頼
  • 業務用ヘアードライヤー1300Wのハイパワーモデル発売 NB1300
  • 『ターボシリーズ』発売 TB1100,TB2100

髪によいドライヤーの開発がはじまる

80年代も半ばを過ぎるとドライヤーには髪へのやさしさが求められるようになりました。
キーワードはクイック。髪を早く乾かすことが、髪に良いことであったので、
各メーカーがさまざまな技術開発・機能向上にトライしていました。
わたしたちはターボをつけることに解決策を見いだし『ターボシリーズ』を1987年に発売。
朝に髪をシャンプーする“朝シャン”が流行るなか、すばやく乾き、きれいにセットできる、しかも髪にやさしいと評判をいただきました。
女性の髪にやさしいドライヤー、そのための技術開発、“ものづくり”という道が、このころからはじまりました。

1990年代

  • TOTOとのタイアップ(共同開発)による静音ドライヤー発売 NB2000
  • 業界に先駆けてマイナスイオン搭載のドライヤーを製造・開発(1992年)

2000年代

  • マイナスイオンヘアードライヤー発売NB2500

マイナスイオンでヘアケア

カラダのバランスを整える効果があるとされるマイナスイオンをドライヤーに活用できないか?
とオゾン発生器開発メーカーより依頼があり、マイナスイオンヘアードライヤーの開発がはじまりました。
試作品をまずはサロンで使っていただき、じっさいに「縮毛が改善された」という声をもらったことで、全国的にプロ向けで発売を開始。
その後、一般に向けて販売され、ヘアケアできる画期的なドライヤーとして多くの方々に受け入れられました。

  • 業界最大クラス「大風速ドライヤー」発売 NB3000(2008年)

一度使うと、手放せないドライヤーの開発

サロンで『スピードドライ』というキーワードが語られるようになりました。
それは文字通り“早く乾かす”ということ。そのためには風速をあげる大きなモーターをドライヤーにつければ良い。
けれど重さが増してしまう。そこで、軽く感じられる重量バランスを求め、さらにスイッチポジションやグリップの握りやすさに磨きをかけました。
その結果、いままでの1.4倍の大風速と1500Wのハイパワーを実現した「大風速ドライヤー」が誕生したのです。
この「大風速ドライヤー」は縮毛矯正やストレートパーマのスピードドライが欠かせない施術にも使われ、
「一度使うと、手放せなくなる」と好評をいただいています。